地獄のスクール初日

楽しみにしていたログビルディングスクール初日の日がやってきた。

自宅からスクールの長沼まで2時間以上かかることは検証済みである。
スクールは9時からなので、6時半には出発しなければいけない。
初日は余裕を持って出かけたいため、朝5時15分起床の予定であった。

しかし、興奮していたためか、5時には起きてしまった。
朝食を済ませ、準備万端で出発する。


8時30分、長沼に到着する。
現地には、実際に指導してくれる中山さんというビルダーがいた。
この時が初対面である。
あいさつ・自己紹介的な話をする。

その後、「ところで、今日は生徒は何人ですか?」と聞くと、
「ひとりです」との答え。

一瞬、「へ?」と思ったが、考えようによっては、
それだけ中身が濃いスクールを受けれることにもなる。
これが地獄の始まりであった。


最初はログの犬小屋を作ることになっていた。
まず、仮基礎を作るため、丸太を並べ、オートレベルで高さを合わせる。
その後、マークした高さに丸太を切る作業である。

ここで、チェーンソーのデビューである。
しかし、約1年半ぶりのチェーンソーワークであり、
縦にした丸太を切った経験はない。

見本の切り方を見せてもらったが、いとも簡単にやってしまう。
さすがに「この道、15年」のログビルダーである。

私は、つい最近までホワイトカラーであり、
1年前の手術の影響で、体力も落ちているため、
チェーンソーが重く感じられた。

いざ、チャレンジ。
チェーンソーのスパイク(つめ)を支点に回し込むように切っていくが、
途中でカットラインをはみ出してしまう。
少し戻して再チャレンジするが、同じことをやってしまう。

そんなことを何回か繰り返して、やっと1つの丸太を切り終える。
しかし、切った面はガタガタで、水平にはほど遠いようである。
ショック!


その後、チェーンソーワークを思い出す意味で、ラウンドノッチに挑戦。
その辺の端材を使って、スクライブ後、刻みを行う。

切り方は以前のスクールで教えてもらった方法とは若干違っていたたが、
これはログビルダーの流派の違いなのだろう。

そんなことは、あまり気にせず、やってみるが、思うようにチェーンソーが使えない。
以前はもっとうまく出来たような気がするが、
1年半のブランクのせいであろうと考えることにした。

ラフカット、ファイナルカットとやってみるが、これだけで相当の時間を費やしてしまった。
予想していたよりうまくいかないため、段々イライラし始める。

次にこれも昔の経験を思い出す意味で、グルーブを刻む。
やはり、うまくいかない。
1年半のブランクは、こんなに忘れてしまうものだろうか?


次に犬小屋を作るための作業に入る。
最初はハーフログを作るために半割をしなければならない。
実は半割りも経験したことがなかった。

丸太を横にして、半割を始める。
これが異常に神経と体力を使う作業であることが分かる。
長さ1.5mのログの半割をするのに多分1時間位かかったような気がする。

途中で中山さんが、「チェーンソー、焼けないか?」と心配していた。
やっと切り終えたと思ったが、表面はガタガタである。


次に表面を滑らかにするためにブラッシングをする。
最初、ブラッシングしてもなかなか滑らかにならないなと思っていたら、
丸太の繊維方向に対して直角にブラッシングしていたことが原因であった。
繊維方向に対して斜めにブラッシングすると、ある程度きれいになることを覚える。

チェーンソーでのブラッシングが終わると、今度はカンナがけである。
電動カンナを使うのだが、5寸幅のカンナは結構な重量がある。

滑らかにするのに時間がかかっていたが、刃の出し加減が悪かったようだ。
最初は刃を出し気味にしてカンナをかけ、徐々に刃を引っ込めるようにすると、
手早く仕上げることが出来るらしい。

そうは言っても、感覚で覚えるものなので、時間がかかる。
時間がかかると、体力が徐々に消耗してくる。
休憩をしつつ、なんとか仕上げる。


続いて、ハーフログにスカーフを刻む。
再び、チェーンソーの登場である。
スカーフは曲線のため、これがまた、チェーンソーが言うことを聞いてくれない。
チェーンソーでは、曲率半径の小さいRは無理なのであることを教えられる。

ガタガタのスカーフをブラッシングした後は、曲面カンナの登場である。
これも平カンナと理論上は同じで、最初は刃を出し気味に使い、
徐々に刃を引っ込めていく。
理論上は分かっても、体が反応しない。
まるで、スキーを始めたばかりのこ頃の様である。

プロは30秒くらいで仕上げるのだそうだが、10分かかっても終わらない。
さらに体力が消耗し、休憩を入れる。
終わった頃は、ヘトヘトであった。


実技が終了した後は、講義である。

ログハウスでは材料選びが非常に重要であること、
丸太のどの面を上下にすべきか、
グルーブの刻みすぎは隙間の原因になること、

などなどを親切に教えて頂いたが、
久々の体力仕事に疲れ果てていた私には、詳細は思い出せない。
そのうち、また教えてもらうことにしよう。


講義が終了したのは、午後9時。
自宅に着いたのは11時を回っていた。
ログスクール初日は地獄だった。

おやすみなさい。


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