土地探しpart3
とうとう移住してしまった。
全ては、ログハウスをセルフビルドするため。
東京に住みながら北海道の土地を探すのは難しいと判断したため、
移住後に気合を入れて探す決心を固めていた。
まず、以前コンタクトをとっていた不動産屋へご挨拶に行く。
家から車で5分の距離である。
なんと便利なことか!
「あの~、1年ほど前に何件か物件をご案内頂いた者ですが・・・」。
事情を説明すると、少し思い出して頂いた。
先方にしてみれば、そんな客もいたなという程度だろう。
しかし、本当に移住してきたこと、仕事まで辞めたことなどを説明すると、
「こいつは本気で土地を探す気だ」と感じたらしく、
私は突如、優良見込み客に変身した。
その場で『1000坪500万円・羊蹄山が見える』という条件に近い物件を出してもらったが、
残念ながら私達の町内ではなく、隣町であった。
嫁が町職員のため、私達には町内で探さなければいけない事情があった。
とりあえず、町内でいい物件が出てきたら連絡してもらうことにしてこの日は退散した。
翌日、その不動産屋の社長から電話が入る。
「実は町内に1万坪の土地があるのですが、見てみませんか?」とのことだった。
昨日の情報では、2500万円との話だったので、候補からはずした土地である。
こちらも用事はなかったし、色々な物件を見て、目を肥やしておくのも良いし、
また、分筆してもらうことも有り得るかなと思い、あまり期待せずにでかけた。
現地へ案内されるが、羊蹄山は上半分しか見えないし、ぴ~んとくるものがなかった。
私の中では却下である。
ついでだから隣町の土地も案内してもらう。
最初は、周囲が畑の中の2000坪を5筆に分割した土地である。
土地の中央を私道が走っており、今、残っているのは700坪600万円の土地であった。
道路の向かい側は400坪の土地が4筆並んでいて、
周囲に家が建ちそうで気に入らなかった。
続いて、ちょっと山の方へ入った5000坪の傾斜地。
ブルドーザで造成済みで、2500坪ずつ2分割する予定だが、
まだ境界杭は打っていないので面積は相談にのるとのことだった。
しかし、井戸を掘削しなければいけないこと、そしてこの土地へ来るまでの道が狭く、
豪雪地帯のこのあたりでは冬は厳しそうである。
それ以前に隣町であることから、またしても保留。
違う不動産屋もあたってみようと思い、この近辺に強い札幌の不動産屋に電話する。
「うちの町内で、『1000坪500万円・羊蹄山が見える』物件はありませんか?」。
「1件あります」とのことだったので、2日後に会う約束をする。
2日後、午後1時の待ち合わせだったので、待ち合わせ場所近くの食堂で
食事をしていると、
「中嶋さんですか?」と声を掛けられた。
不動産屋だった。
食堂には私しか客がいなく、私の車のナンバーを伝えていたので分かったらしい。
私と同い年くらいの兄ちゃんだったが、私が生理的に嫌いなタイプであった。
また、兄ちゃんと一緒に横に大きな体型のおばさんがいた。
誰だろうと思っていたら、なんと、その不動産屋の社長だった。
この人も生理的に嫌いなタイプであった。
とりあえず、人間の好き嫌いは置いておいて、現地に案内してもらった。
羊蹄山が右半分しか見えない。
この時点で、保留。
その後、土地について詳しく説明してくれたが、
土地の上空を高圧線が横切っている。
気に入らない。
さらに1800坪の土地であるが、分筆して1000坪にすることは可能とのことだった。
しかし、1000坪にした時の値段をはっきりと言わない。
益々、気に入らない。
ようやく1000坪500万円位との回答をもらったが、
この時点である決意をした。
「この人達からは買わない!」
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